Road to 「my club」

マイクラブ設立を目指すコーチ達へ

充電期間

福岡に来て4ヶ月が経過しようとしている。

 

「自分の生まれ故郷にクラブを立ち上げる」

 

という大志を抱き、福岡で有名な街クラブにやって来た。

 

だが現実は甘くなかった。

 

現場で求められる対応力。

 

現場以外の多岐にわたる仕事の数々。

 

初めての土地や初めて会う人々。

 

日々仕事に忙殺される中で

 

明らかに自分のキャパシティを超えていることに、僕は気づいてしまった。

 

もちろんそれは僕が勝手に定めた「限界」に過ぎない。

 

超えられるように努力すれば済む話だ。

 

だが僕は自ら戦いの場を降りる選択をした。

 

今の自分のままなら何をしても

 

無駄だと思ったからだ。

 

最近は指導に熱が籠もらないことに不安を感じていた。

 

現場に立てばいつも「正解探し」。

 

セオリー通りにやろう

 

先輩の助言通りにやろう

 

そればっかりに意識が向いており

 

選手の表情や仕草、成長に全く気づかなくなっていた。

 

怪我寸前のトラブルが起きてしまったのも

 

そうした僕のパニックが引き起こしたもので

 

起こるべくして起こったものだった。

 

僕はまだ自分の「正しさ」を持っていない。

 

自分が正しいと思うことを信じ切れていれば

 

誰がなんと言おうとそれを突っぱねて

 

自分の正しさを押し通すことが出来る。

 

その自信が言霊になって「説得力」に繋がる。

 

同時に過信は危うさを含むが

 

自信を持って選手に伝えることが大切で

 

その信念の正当性は二の次だ。

 

僕はその信念をまだ形成しきれていないことに気づいた。

 

それは人を導く上で避けては通れない作業だ。

 

もちろんコーチを専門にしながら追求することは可能だ。

 

だがサッカーだけと向き合い

 

クラブが求める正しさと向き合い続ける日々の中で

 

果たして自分の「正しさ」を発見することが出来るのか。

 

僕は疑問を持たざるを得なかった。

 

だから僕は一度アシスタントからやり直すことに決めた。

 

もちろん雇用形態は「アルバイト」となるので

 

収入の安定性はない。

 

もうすぐ掛け持ちとなる仕事が決まるが

 

そこで多くの人と関わりながら

 

その人たちの人生観や価値観などに触れ

 

必要とあらばそれを自らの血肉とし

 

幅広い知識と経験を得て

 

自分なりの信念を確立した

 

そのときに初めて

 

子供たちに対して真摯に向き合えるようになるのでは

 

僕はそう思っている。

 

この道は遠回りかもしれない。

 

楽な道を選んだと思われるかもしれない。

 

それでも選んだ道を正解に出来るのは自分しかいない。

 

自分だけのオリジナルな「正しさ」を見つけたそのときが

 

僕がメインとして再び現場に立つときだと思っている。

 

今はそのための充電期間だと思い

 

アシスタントとしての職務

 

新しい仕事

 

筋トレ・読書などの自分磨き

 

などを通して自分自身を見つめる期間としたい。