Road to 「my club」

マイクラブ設立を目指すコーチ達へ

優先順位を付けることって大事だよね

コーチングにおいて優先順位を付けることが如何に大切か。

 

監督・コーチという立場からでもそう。

 

上司という立場からでもそう。

 

「まず何を意識するのか」

「まず何から始めるのか」

「まず何を出来るようになればいいのか」

 

の指針を示してあげることで

 

選手たちはかなり動けるようになる。

 

特にサッカーを始めたての子には絶対に必要なこと。

 

まだルールすら知らない。

 

ルールを知っていてもサッカーがどういうスポーツなのかを知らない。

 

その子がどのレベルにいるのかを見極め

 

順序立てて1つずつ優先度の高い情報から教えていく。

 

一度にあれもこれもと情報を伝えても

 

情報処理能力の低い子供には全く届かない。

 

だからまずは自分が優先度が高いと思う情報を1つでもいい。

 

1つずつでもいいから教えていくことが大切。

 

例えばルールすら知らない子がGKにチャレンジするのなら

 

相手が触ったボールだけキャッチ出来ることを教えればいい。

 

最悪PA外でキャッチしてしまっても

 

試合中に「GKが手を使えるのはPA内だけだよ」と教えてあげればいい。

 

キャッチングさえ出来れば、初心者のデビュー戦としては上出来だ。

 

ルールは一通り知っている。

 

でもサッカー特有の動き方が分からない子。

 

それはプレーを見れば一瞬で分かる。

 

ボールを持ってから自信なさげにパスをする。

 

何をすればいいか分からず思考停止して決断する前に相手に取られる。

 

思考がまとまっておらず普段の半分のスペックも発揮できていない

 

そういう子にはプレーの選択肢を狭めてあげる。

 

例えばCBの子だったら

 

「まずは自分の斜め前にいるSHめがけて、斜めのパスを通してごらん」

 

とやるべきことを指定する。

 

すると結果的にその子の頭はクリアになって

 

スムーズにプレー出来るようになる。

 

優先順位を付けることは子供の集中力にも関わってくる。

 

子供とは本来集中力が高い。

 

だが練習中にふざけてしまうとか遊んでしまうという状況になってしまう原因として

 

選手が迷っている

 

というのが大にしてある。

 

迷って何をすればいいのか分からないから

 

とりあえず楽な「ふざける」という方向に走るのが子供だ。

 

だからふざける要因の1つを取り除くためにも

 

「選手が迷わないようにやるべきことを指定する」

 

ことも意外と大切だ。

 

ダラダラと要領の得ない説明をするくらいだったら

 

一番大切だと思うポイントを1つ伝える方が良い。

 

コーチという生き物は

 

その場その場で必要なものとそうでないものを

 

「取捨選択」

 

することが大切だ。

 

 

 

こんなときどうすればいい?①:話を聞かない子がいる

話を聞かない子がいる。

 

これは小学生を相手にするチームなら

 

かなりありふれた光景のように思う。

 

話を聞かない子はいつも決まって同じ子で

 

話を聞いていないがために

 

練習が理解できなかったり

 

初動が遅くなって結果的に周りに迷惑をかけることになる。

 

こんなときどうすればいいのか。

 

一番簡単なのは

 

「話を聞け」

 

と言ってしまうこと。

 

でもそれではあまりに芸がない。

 

そのときは話を聞くかもしれないが

 

また同じことを繰り返すに違いない。

 

あるいは

 

「話を聞かないことでどうなるか」

 

をその子自身で体感してもらう方法もある。

 

例えば一通り説明し終えた後で

 

「じゃあ、○○、今コーチが何て言ったか言ってみて?」

 

あるいは

 

「じゃあコーチが説明した通りにやってみてご覧」

 

と言うとまず間違いなく話を聞いていないので

 

何も出来ずにだんまりすることだろう。

 

この方法もその瞬間だけ「ハッとさせる」ことは可能だが

 

「よし次から話を聞こう」

 

とはなりづらい。

 

僕が思うに大切なのは

 

「話を聞かない原因がどこにあるのか」

 

を探り、その原因をとなる要因を排除した上で

 

簡潔に話すことだ。

 

原因として考えられるのは

 

・そもそもコーチの話がつまらない

・話を聞かなくても大丈夫な環境

・話を聞くことを阻害する要因がある

 

などだ。

 

ここで注意したいのは

 

子供の責任にしないこと。

 

子供の集中力の問題にしてしまうのは大人の怠慢でしかない。

 

子供とは本来、集中力がすこぶる高い。

 

その集中力を十全に引き出せていないのは

 

他でもないコーチなのだ。

 

だからコーチはあくまで「自分自身」

 

に矢印を向けて考える必要がある。

 

「話を聞ける状態か?(疲労度、太陽光、騒音etc)」

「話をするべきタイミングか?」

 

大人ですら、つまらない人の話を真剣に聞かなくてはいけない状況ほど

 

辛いことはない。笑

 

なるべく長時間大人が一方的に話すというのは避けるのが理想だ。

 

だがどうしても長くなってしまうときはある。

 

中々オチが見つからずにダラダラと話してしまうこともある。

 

だから話をする時はあらかじめ地図を用意しておくことだ。

 

①集めるタイミング

②何について言うのか

③簡単な起承転結

 

これらをあらかじめて用意しておけば

 

集めて話をしたときも簡潔に話すことが出来る。

 

それでも話を聞かない子がいるときは

 

練習から外すことも選択肢としてはある。

 

子供にもコーチの誠意に応える義務はあるので

 

コーチが全て背負う必要はない。

 

そもそも子供だろうが大人だろうが

 

他人が言ったことなんてほとんど覚えてやしない。

 

なので何かを偉そうに説教垂れるくらいなら

 

一回でも多くボールに触れた方が有意義かもしれない。

 

どうしても話をしなきゃいけないときは

 

頭の中で「何を言うか」の道筋をある程度決めておくといいだろう。

 

なるべく着地を早くして

 

少しでも子供たちがボールを蹴る時間を確保出来るのがベストだ。

コーチ辞めます。

「自分のクラブを持つ」

 

そう目標を掲げてはや数年。

 

最初はボランティアのコーチから始めて

 

本気でプロコーチを目指すために

 

今年は福岡に上陸。

 

半年間福岡のクラブでコーチとして働きました。

 

そして見事に打ちのめされました。

 

現実は全く甘くなかった。

 

コーチ業といえども一般の仕事と大切なことは変わりません。

 

顧客(選手)の安全管理が最優先だし

 

準備を入念に行い

 

ホウレンソウを徹底する。

 

時間帯は変則的でしたが

 

仕事の内容自体は社会人のそれと変わりませんでした。

 

いろいろと書き出すと多分

 

余裕で2万字は超えると思うので

 

この記事ではこれからコーチを目指す人への

 

心構え的なアドバイスを1個、書いていこうと思います。

 

ずばり、一番大切なのは「安全管理」です。

 

この時期は特に熱中症ですね。

 

こまめに水分補給を入れたり

 

子供たちの顔色を伺ったり

 

気分が悪いときは勝手に休憩してもいいように言ったり。

 

そういった気配りと注意力は常に欠かせません。

 

子供を持つ親御さんであれば、共感できると思います。

 

しかし、ここで難しいのは安全管理を優先させすぎるのは

 

それはそれで問題があるということです。

 

これは今のクラブの理念とは真っ向から対立しています。

 

僕が独自で編み出した考えです。

 

まあ考えれば簡単な話ではあるんですけどね。

 

クラブは体裁を保つためにも

 

「安全管理が第一」

 

と強調しないわけには行きません。

 

だってそうしないと人なんか集まらないから。

 

人が集まらなければ当然収益にも繋がらない。

 

でも安全管理を優先させすぎると

 

・「まあ、暑いし倒れると危ないからアップはほどほどで良いよ」

・「怪我をしたら危ないから接触プレーは控えよう」

・「本当はもっと走らないとダメだけどぶっ倒れられても困るから、強度はあまり上げないようにしよう」

 

という思考になります。

 

確かに、安全管理という点では申し分ありません。

 

でもそれで本当に子供たちは鍛えられるでしょうか?

 

かのメッシが幼いとき

 

試合中、相手選手に派手なタックルをお見舞いされながらも

 

自軍ベンチはメッシを守るどころか相手選手に

 

「もっとやれ」

 

と言っていたそうです。

 

それに奮起したメッシは

 

より荒くなる相手のチャージを上回るほどの

 

足技とスピードをそうした

 

戦争のような実戦の中で自然と身につけたそうです。

 

同じくアルゼンチン出身のストライカーであるテベス

 

スラム街の生まれで

 

幼いころに目の前でお父さんを殺されたそうです。

 

そんな過酷な環境で育った経験が

 

心身ともに強靱な世界的ストライカーを作り上げたと言っても過言ではありません。

 

そういった死線をくぐり抜けてきた者だけが

 

本当の意味で「強い人間」になれるのです。

 

もちろんメッシとテベスの例は極端ではありますが

 

子供たちを鍛えるためであれば

 

安全管理のリミッターをある程度外す必要があります。

 

そのさじ加減をするのがコーチの役目の1つでもあると思っています。

 

もちろん最低限の安全管理はコーチの役目です。

 

でもそれ以上のことはコーチにはコントロール出来ません。

 

激しい接触で大けがをしたとか

 

危険なところから落ちて怪我をしたとか

 

激しさを求めるとどうしても

 

接触が増えて怪我のリスクも上がります。

 

でもそれを怖がっていては

 

いざ試合になったときに

 

まず、まともなスコアになりません。

 

大差で負けてもいい。

 

子供たちが頑張っていればそれでも良い。

 

と本気で思えますか?

 

負けても笑ってヘラヘラしているとしたら

 

それは「敗者のメンタリティ」に侵されていると言ってもいいでしょう。

 

負けても楽しければいい。

 

そんなのは綺麗事です。

 

勝負事は勝つから楽しい。

 

だから普段から子供のリミッターを外すような

 

課題をコーチがあえて課すことが必要なのです。

 

それらは子供が成長する上では「必要な痛み」だと

 

親御さんも同時に理解する必要があります。

 

何でもかんでも安全第一と怖がっていては

 

勇敢で丈夫な子には育ちません。

 

もちろん「目的が何か」によっても変わりますけどね。

 

みんなでワイワイと楽しむだけのサッカーなら

 

それこそ安全を第一にサッカーをすれば良いと思います。

 

でも

 

「強いクラブにしたい」

 

「強い子供たちを育てたい」

 

と思うなら

 

ときに過酷な環境を用意する事も必要だと僕は思います。

 

年齢が上がるごとに危険の度合いを上げていくと良いでしょう。

 

もちろん体罰は論外です。

 

今の日本の育成は

 

間違いなく温室育ちの良い子ちゃんを量産しています。

 

親御さんも

 

「子供にはたくましくなってほしい」

 

と思っているはず。

 

その期待に応えるためにも

 

ぜひ

 

安全と危険のバランスを探る作業

 

をまずは意識してやって見て欲しいと思います。

 

それでは。

 

 

 

低学年の難しさ

昨日はキッズアカデミーという定期開催されている

 

サッカー教室のようなイベントでコーチをしてきました。

 

そこでちょっとした気づきがあったので記録して行こうと思います。

 

まず僕は遅刻しました。

 

途中参加だったので子供達の顔も名前も知りません。

 

完全に全員が初対面です。

 

ですが僕はこういうのが大の得意です。

 

途中参加でも素知らぬ顔で雰囲気に溶け込むのは

 

陰の人間でありながらなぜか得意なのです。笑

 

最初の10分で僕は全員の名前を覚えて

 

その他情報をインプットし

 

積極的にコミュニケーションを取ることで

 

30分後には子供たちに馬乗りにされるまでに

 

気に入られることに成功しました。笑

 

もちろん休憩中ですよ。笑

 

今まで何となく輪に入る事をしてきましたが

 

昨日に限っては初めて

 

「意図して輪に入る」

 

というのを試験的に行うことが出来ました。

 

ピリッとした空気の中で

 

コーチが言われたことをただこなしているかのような空気感。

 

僕が来る前にメインをしていたコーチは

 

子供たちを一括りにして

 

「お友達」

 

と言っていました。

 

確かに楽ですよね。

 

子供に嫌悪感も与えないですし。

 

距離の取り方としても絶妙だと思います。

 

ですが僕には違和感がありました。

 

緊張感があって集中出来るというのは反面

 

ただの流れ作業のような趣を醸し出してしまいます。

 

見てくれがあまりよろしくない。

 

そこで僕があえて子供たちの懐に入るような

 

コミュニケーションを取ることでどう変化するのかを観察することにしました。

 

結果で言えばそれまで

 

「緊張:弛緩=9:1」

 

だったのが

 

「緊張:弛緩=5:5」

 

くらいになりました。

 

これがもし自分のクラブであれば

 

どうしても緊張感が欠けてしまうので

 

上手くバランスを取る必要が出てくると思いますが

 

初対面の子達も多いので少し緩いくらいが丁度いい

 

と僕は判断しました。

 

まあ何かしらの収穫があったかと聞かれれば微妙なところではあります。

 

そもそもサッカーを学びに来ている場ですから

 

子供達に気に入られて遊び相手になってしまうようでは

 

コーチの責務を果たすことが難しくなる場合もあります。

 

だからといってコーチがただ無機質にメニューをこなして

 

子供達もただ言われたことをやるような空気感でも

 

それはそれで問題があると思います。

 

じゃあ中間を...と思いますが

 

少しでもふざける余地があると判断すると子供は

 

一気に自分を解放する傾向があるような気がします。

 

「その場」が自分にとってどういう場なのか

 

子供たちは常にそれを探っています。

 

子供に限らず大人もですね。

 

自分の色をどこまで出せるのか。

 

大人の敷居よりも子供のそれはかなり低めに設定されています。

 

「このコーチは自分の話をちゃんと聞いてくれた」

「コーチがふざけたから僕も」

 

少しでも隙を見せようものなら一気に食われてしまいます。笑

 

そこが低学年の一番の難しさかもしれません。

 

バランスを取るのがめちゃめちゃ難しい。

 

「優しいお兄ちゃんほど損をする」

 

古今東西共通の問題でしょう。

 

見た目がかっこ良くて優しいお兄ちゃんは

 

子供にとっては格好の餌ですからね。笑

 

なんとかかっこ良くて優しいお兄ちゃんのまま

 

同時に子供たちもうまくさせることが出来るという

 

最強の二兎を得られるようになりたいものです。

 

そのために如何にして

 

「緊張感」

 

という処置を絶妙なタイミングに絶妙な量施すことが出来るのか。

 

頭ごなしに叱る・怒るだけでは上手くいきません。

 

また、それは指導する年代や子供たちの性格によっても違いますから

 

そのパターンをある程度頭にたたき込めるように

 

まずはどういったパターンがあるのかを

 

子供たちと接する中で探っていければいいですね。

 

長い旅路になりそうですが、頑張ります。

イワシの群れ

イワシの群れ。

 

水族館の名物。

 

無数のイワシが一糸乱れぬ動きで右へ左へ。

 

なぜイワシという矮小な生き物が

 

まるでプログラミングされたかのような動きが出来るのか。

 

群れのボスが率いているのか。

 

違います。

 

よく観察していれば分かりますが

 

群れが一斉に動いているので

 

何らかの信号を受け取ってからでは

 

あまりに遅いのです。

 

実はあの動きは

 

イワシの本能からくるいくつかのシンプルなルールによって成り立っている」

 

と言われています。

 

そのルールというのは

 

①分離ルール:他との衝突を避ける

②整列ルール:近隣の群れと方向を合わせる

③結合ルール:近隣の群れの中心に向かう

 

この3つだけと言われています。

 

このルールに各々のイワシが従うことで

 

イワシの群れが完成するのです。

 

不思議ですねえ。

 

集団であれだけまとまった動きが出来る裏には

 

もっと複雑なメカニズムがあると思うじゃないですか。

 

実はそうではなく

 

シンプルなルールによって群れは作られているのです。

 

そしてそのイワシの群れとサッカーは似ています。

 

僕もそこまで詳しいわけではありませんが

 

同じ「複雑系」としてくくることが出来ます。

 

考えれば分かると思います。

 

十人十色の選手が相手味方合わせて22人もいて

 

グラウンドの状況や審判のジャッジング

 

天候やギャラリーの声などなど

 

選手のパフォーマンスに影響を与える要素は数限りなく存在します。

 

その1つ1つが複雑に絡み合って勝敗という結果をもたらす。

 

サッカーは複雑系のスポーツです。

 

僕はその理解で止まっていました。

 

ですが昨日Kコーチからレクチャーを受けたことで

 

一気に整理を進めることが出来ました。

 

イワシの群れの一糸乱れぬ動き。

 

あれをサッカーでも再現できたら強くないですか?

 

間違いなく強いです。

 

全員が同じ方向を向いてプレーするわけですから

 

強くないわけがありません。

 

黄金期を築いたバルセロナ

 

プレミアで独走したマンチェスターシティを想像してもらえれば一目瞭然。

 

小魚でも群れになれば鯨を撃退することも出来るのです。

 

かの有名なスイミーです。

 

じゃあそんな群れを作るためにはどうすればいいのか。

 

それはまさにシンプルなルールを作ることにあるのです。

 

以前の僕は何でもかんでもパターンを作ることに注力していました。

 

「このときはこう」

 

を無数に作ってそれを選手にインプットさせるイメージです。

 

ですがそれではあまりに時間がかかり過ぎる上に

 

小学生の理解力&暗記力では限界があります。

 

いや、大人でも心拍数が170~190に近い中で

 

ケースバイケースでパターンの引き出しを開けることは容易ではありません。

 

不可能に近いとも言えます。

 

さらに「このときはこう」というのは

 

つまり「パターン」にしかなりません。

 

パターンというのはある場面では強いけどある場面では弱い

 

という脆弱性を持ち

 

さらには研究されて対策されると

 

効果を失うというリスクもあります。

 

そこで選手にはシンプルなルールだけを提示するのです。

 

それはまさにイワシの群れと同じようなものです。

 

「出来るだけシンプルに、かつ選手が理解しやすい、かつサッカーの原理原則に則ったもの」

 

そんなルールを作って選手に提示します。

 

例えば

 

「ボールホルダーがフリーだったら受け手は離れる」

 

というプレー原則。

 

非常に簡潔です。

 

もちろんサッカーの原理原則にも則っています。

 

だってボールホルダーがフリーなのに近づいたら

 

ボールホルダーのスペースを消しちゃいますよね。

 

スムーズに前進できませんよね。

 

相手のマーカー1人で2人見られることにもなりますよね。

 

つまり

 

「出来るだけシンプルに、かつ選手が理解しやすい、かつサッカーの原理原則に則ったもの」

 

なわけです。

 

もちろんあらゆる場面でも応用ができるので

 

これはパターンにはなりません。

 

これが

 

「右CBがボールを持っていて、かつプレッシャーを受けていなかったら、右SHの選手はなるべく深さを取ってボールを受ける」

 

にしてしまうとこれはもうパターンになってしまいます。

 

右CBがフリーで右SHが深さを取れるときは良いですが

 

「右CBがプレッシャーを受けているときは?」

「右SHがマークをされているときは?」

 

結局は柔軟性のない「パターン」止まりになってしまいます。

 

お気づきの方もいるかもしれませんが

 

パターンからは「相手の想定」が抜けています。

 

だから「自分たちはこうすれば強い」に固執した結果

 

対策されてしまうと一気に脆さを露呈してしまいます。

 

もっと言うと上記のプレー原則では明確性が抜け落ちているため

 

「なるべくってどのくらいやねん」

 

と選手は思うことでしょう。

 

選手を混乱させる事も御法度になります。

 

そう考えると自ずと

 

「シンプルなルールによって流動性を生み出す」

 

という方法が最も適切だという結論にたどり着くわけです。

 

この結論にたどり着いたとき

 

一気に視界が開けた気がしました。

 

早速原理原則に則って自分なりのプレー原則を作ってみようと思います。

 

皆さんも是非。

 

複雑系について学びたい方は、導入として

 

まずは山口遼さんの戦ピリ本がオススメです。

 

それでは。

 

 

 

充電期間

福岡に来て4ヶ月が経過しようとしている。

 

「自分の生まれ故郷にクラブを立ち上げる」

 

という大志を抱き、福岡で有名な街クラブにやって来た。

 

だが現実は甘くなかった。

 

現場で求められる対応力。

 

現場以外の多岐にわたる仕事の数々。

 

初めての土地や初めて会う人々。

 

日々仕事に忙殺される中で

 

明らかに自分のキャパシティを超えていることに、僕は気づいてしまった。

 

もちろんそれは僕が勝手に定めた「限界」に過ぎない。

 

超えられるように努力すれば済む話だ。

 

だが僕は自ら戦いの場を降りる選択をした。

 

今の自分のままなら何をしても

 

無駄だと思ったからだ。

 

最近は指導に熱が籠もらないことに不安を感じていた。

 

現場に立てばいつも「正解探し」。

 

セオリー通りにやろう

 

先輩の助言通りにやろう

 

そればっかりに意識が向いており

 

選手の表情や仕草、成長に全く気づかなくなっていた。

 

怪我寸前のトラブルが起きてしまったのも

 

そうした僕のパニックが引き起こしたもので

 

起こるべくして起こったものだった。

 

僕はまだ自分の「正しさ」を持っていない。

 

自分が正しいと思うことを信じ切れていれば

 

誰がなんと言おうとそれを突っぱねて

 

自分の正しさを押し通すことが出来る。

 

その自信が言霊になって「説得力」に繋がる。

 

同時に過信は危うさを含むが

 

自信を持って選手に伝えることが大切で

 

その信念の正当性は二の次だ。

 

僕はその信念をまだ形成しきれていないことに気づいた。

 

それは人を導く上で避けては通れない作業だ。

 

もちろんコーチを専門にしながら追求することは可能だ。

 

だがサッカーだけと向き合い

 

クラブが求める正しさと向き合い続ける日々の中で

 

果たして自分の「正しさ」を発見することが出来るのか。

 

僕は疑問を持たざるを得なかった。

 

だから僕は一度アシスタントからやり直すことに決めた。

 

もちろん雇用形態は「アルバイト」となるので

 

収入の安定性はない。

 

もうすぐ掛け持ちとなる仕事が決まるが

 

そこで多くの人と関わりながら

 

その人たちの人生観や価値観などに触れ

 

必要とあらばそれを自らの血肉とし

 

幅広い知識と経験を得て

 

自分なりの信念を確立した

 

そのときに初めて

 

子供たちに対して真摯に向き合えるようになるのでは

 

僕はそう思っている。

 

この道は遠回りかもしれない。

 

楽な道を選んだと思われるかもしれない。

 

それでも選んだ道を正解に出来るのは自分しかいない。

 

自分だけのオリジナルな「正しさ」を見つけたそのときが

 

僕がメインとして再び現場に立つときだと思っている。

 

今はそのための充電期間だと思い

 

アシスタントとしての職務

 

新しい仕事

 

筋トレ・読書などの自分磨き

 

などを通して自分自身を見つめる期間としたい。

 

 

福岡に来て3ヶ月が経過

コーチの勉強をするために福岡に来て3ヶ月が経過しました。

 

正直理想とはかけ離れていたのが現実。

 

僕ならもっと出来るはずだという自信。

 

そんな自信はもろく崩れ去り。

 

指導の質と向き合うだけで良いという楽観的な考え。

 

会社を経営していく上で収入を上げたり、顧客を満足させるビジネス視点を持つことも求められたり。

 

一筋縄ではいかないことが多々ありました。

 

4月の頭から何度辞めようと思ったことか。

 

代表やウチのコーチが審判に対して執拗に文句を言っているとき。

 

狭いコートで2チームのごちゃごちゃゲームをしたとき。

 

勉強なんていいからもっとユーモアを出せと言われたとき。

 

尊敬しているコーチに

 

「情熱がないのによくウチの門をくぐったな」

 

と言われたとき。

 

会社のハイエースをこすったとき。

 

何度空回りして恥ずかしい思いをして、怒られて、否定されてきたことか。

 

まずは「3ヶ月も続けた」自分を褒めたいくらいです。笑

 

実際に次の仕事を探したりもしました。

 

ですが、それでもしがみついている自分がいる。

 

それはどこかで

 

「自分ならやれる」

 

と思えているからかもしれません。

 

自信はそれほどありませんが、続けて行くうちに何か見えてくるんじゃねえか。

 

という淡い期待を持っています。

 

僕には特筆すべき武器はありません。

 

人前で話すのは苦手だし。

 

人見知りだし。

 

マイペースだし。

 

説明下手だし。

 

生真面目だし。

 

そんな僕でもコーチとして成長できる。

 

それを証明したいんです。

 

これからも何度も壁にぶち当たると思いますが

 

まずは1個ずつ課題をクリアしていくことに集中です。

 

次の3ヶ月でどんな自分になっているのか。

 

いや、まずは次の1ヶ月ですね。

 

次の1ヶ月を全力で走り抜けたいと思います。