Road to 「my club」

マイクラブ設立を目指すコーチ達へ

コーチ辞めます。

「自分のクラブを持つ」

 

そう目標を掲げてはや数年。

 

最初はボランティアのコーチから始めて

 

本気でプロコーチを目指すために

 

今年は福岡に上陸。

 

半年間福岡のクラブでコーチとして働きました。

 

そして見事に打ちのめされました。

 

現実は全く甘くなかった。

 

コーチ業といえども一般の仕事と大切なことは変わりません。

 

顧客(選手)の安全管理が最優先だし

 

準備を入念に行い

 

ホウレンソウを徹底する。

 

時間帯は変則的でしたが

 

仕事の内容自体は社会人のそれと変わりませんでした。

 

いろいろと書き出すと多分

 

余裕で2万字は超えると思うので

 

この記事ではこれからコーチを目指す人への

 

心構え的なアドバイスを1個、書いていこうと思います。

 

ずばり、一番大切なのは「安全管理」です。

 

この時期は特に熱中症ですね。

 

こまめに水分補給を入れたり

 

子供たちの顔色を伺ったり

 

気分が悪いときは勝手に休憩してもいいように言ったり。

 

そういった気配りと注意力は常に欠かせません。

 

子供を持つ親御さんであれば、共感できると思います。

 

しかし、ここで難しいのは安全管理を優先させすぎるのは

 

それはそれで問題があるということです。

 

これは今のクラブの理念とは真っ向から対立しています。

 

僕が独自で編み出した考えです。

 

まあ考えれば簡単な話ではあるんですけどね。

 

クラブは体裁を保つためにも

 

「安全管理が第一」

 

と強調しないわけには行きません。

 

だってそうしないと人なんか集まらないから。

 

人が集まらなければ当然収益にも繋がらない。

 

でも安全管理を優先させすぎると

 

・「まあ、暑いし倒れると危ないからアップはほどほどで良いよ」

・「怪我をしたら危ないから接触プレーは控えよう」

・「本当はもっと走らないとダメだけどぶっ倒れられても困るから、強度はあまり上げないようにしよう」

 

という思考になります。

 

確かに、安全管理という点では申し分ありません。

 

でもそれで本当に子供たちは鍛えられるでしょうか?

 

かのメッシが幼いとき

 

試合中、相手選手に派手なタックルをお見舞いされながらも

 

自軍ベンチはメッシを守るどころか相手選手に

 

「もっとやれ」

 

と言っていたそうです。

 

それに奮起したメッシは

 

より荒くなる相手のチャージを上回るほどの

 

足技とスピードをそうした

 

戦争のような実戦の中で自然と身につけたそうです。

 

同じくアルゼンチン出身のストライカーであるテベス

 

スラム街の生まれで

 

幼いころに目の前でお父さんを殺されたそうです。

 

そんな過酷な環境で育った経験が

 

心身ともに強靱な世界的ストライカーを作り上げたと言っても過言ではありません。

 

そういった死線をくぐり抜けてきた者だけが

 

本当の意味で「強い人間」になれるのです。

 

もちろんメッシとテベスの例は極端ではありますが

 

子供たちを鍛えるためであれば

 

安全管理のリミッターをある程度外す必要があります。

 

そのさじ加減をするのがコーチの役目の1つでもあると思っています。

 

もちろん最低限の安全管理はコーチの役目です。

 

でもそれ以上のことはコーチにはコントロール出来ません。

 

激しい接触で大けがをしたとか

 

危険なところから落ちて怪我をしたとか

 

激しさを求めるとどうしても

 

接触が増えて怪我のリスクも上がります。

 

でもそれを怖がっていては

 

いざ試合になったときに

 

まず、まともなスコアになりません。

 

大差で負けてもいい。

 

子供たちが頑張っていればそれでも良い。

 

と本気で思えますか?

 

負けても笑ってヘラヘラしているとしたら

 

それは「敗者のメンタリティ」に侵されていると言ってもいいでしょう。

 

負けても楽しければいい。

 

そんなのは綺麗事です。

 

勝負事は勝つから楽しい。

 

だから普段から子供のリミッターを外すような

 

課題をコーチがあえて課すことが必要なのです。

 

それらは子供が成長する上では「必要な痛み」だと

 

親御さんも同時に理解する必要があります。

 

何でもかんでも安全第一と怖がっていては

 

勇敢で丈夫な子には育ちません。

 

もちろん「目的が何か」によっても変わりますけどね。

 

みんなでワイワイと楽しむだけのサッカーなら

 

それこそ安全を第一にサッカーをすれば良いと思います。

 

でも

 

「強いクラブにしたい」

 

「強い子供たちを育てたい」

 

と思うなら

 

ときに過酷な環境を用意する事も必要だと僕は思います。

 

年齢が上がるごとに危険の度合いを上げていくと良いでしょう。

 

もちろん体罰は論外です。

 

今の日本の育成は

 

間違いなく温室育ちの良い子ちゃんを量産しています。

 

親御さんも

 

「子供にはたくましくなってほしい」

 

と思っているはず。

 

その期待に応えるためにも

 

ぜひ

 

安全と危険のバランスを探る作業

 

をまずは意識してやって見て欲しいと思います。

 

それでは。