Road to 「my club」

マイクラブ設立を目指すコーチ達へ

「正しい指導」とは?

おはようございます。まだまだ朝が寒くてツライですね。

 

今回は「正しさ」について気になったことを書いていこうと思います。

 

昨今はSNSなどで正しさが追求されていますよね。「正しいポジショナルプレー」「正しい教え方」「正しい子供との接し方」「正しい守備のやり方」などなど。挙げればキリがありません。

 

正しい指導はもちろん大切です。自分が教えることにもし誤りがあれば、子供達は間違った知識を吸収してしまうわけですから。常に正しさを追求することは指導者の課題でもあります。

 

だけど「常に正しくあれ」なんて無理な話ですよね。そもそも人間はみんな不完全なんですから。何かしらの欠点があってしかるべきだし、知らないことがあっても何ら不思議ではありません。マンチェスターシティのドキュメンタリーでもグアルディオラ監督が

 

「私でも知らないことはある。でも知っているかのような口調で話す」

 

と言っていました。つまり選手たちの前では「知らない」「分からない」で迷っている姿を見せないことの方が大事なんですよね。これも信頼関係の話に繋がっていくと思います。

 

選手たちからすれば頼みの綱はコーチしかいません。コーチが教えることができなければ誰も教えることが出来ません。意外と選手は「正解」を求めているのではなく、自分に向き合ってくれているかどうかを見ていると思っています。

 

だから自信がなくても自信満々に流ちょうに教えるべきだと僕は思います。たとえ怪しい知識でも、その場で選手が「なるほど」と思って実行出来るような言い回しで提供することが必要になります。

 

もっと言えば「現段階で僕が思うのは...」という前置きをしちゃってもいいかもしれないですね。ご存じの通りサッカー界では日々情報がアップデートされていますから、ちゃんと前置きをしておけば「前と言っていることが違う」という状況にも対応できると思います。

 

大切なのは常に知識をアップデートさせて「このときはこう答える」の引き出しを増やしておくことです。ただそれをなぞるだけでは不十分で、目の前にいる子供の性格や進度に合わせて知識に一手間加えることも忘れてはいけません。

 

むしろ知識量よりそこが問われる気がします。知識なんてナンボでも蓄えられますからね。識者のツイートを見たり本を読んだり。サッカーの戦術本も腐るほど世に出回っています。僕が読んだ本もいずれ紹介できるといいですね。

 

知識を「指導」に変換する。これが難しい。一応変換の仕方の「正解」はあります。目の前の子がどの段階にいるのか見極めて、その子が分かる言葉で、1つ1つ順を追って、確認を行いながら...と教え方にも順序というものが一応はあります。

 

でも現場では、1人に対してそれほど丁寧に時間をかけることはまず難しいと思います。グループ戦術ならまだしも、個人戦術となると1人にかける時間をなるべく少なくしたい。人数が少ないなら話は別ですけどね。低学年でなおかつ人数が多い場合はまず無理です。だって教えてる途中に必ず横やりが入りますから。笑

 

だから時に丁寧さと迅速さが求められることもある。それが知識が現場で活かせるかどうかの境目になります。「ここも大事なんだけど割愛するか...」を話しながら調整します。

 

話がだいぶ逸れましたね。とにかく何でもかんでも「正しさ」に囚われてはいけないということです。でも自分の中の正しさは常に持っておかなければいけなくて、いざというときは正しさを捨てる寛容さも必要です。本当に難儀ですね。

 

主役は選手です。選手とコーチは対等です。それを忘れなければ自然と良い指導もできると思います。現段階ではそれが僕にとっての「正しい指導」かもしれません。