Road to 「my club」

マイクラブ設立を目指すコーチ達へ

今日の練習が一番手応えがあったかもしれない話

こんにちは。たかコーチです。

 

水曜日の練習がいつも通りありました。兵庫の某チーム。もっと言うと尼崎の某チーム。ちなみに尼崎には街クラブと呼べるクラブはおそらくないので、全部少年団と言っていいと思います。

 

水曜日はいつも僕1人で12人くらいの低学年の子供達を見させてもらっています。結構な人数がいるので目を配るのが本当に大変です。

 

喧嘩があちらこちらで発生するし、ファウルを主張してプレーはすぐに止まるし、数秒後にはまた喧嘩が始まるしで、全くサッカーになりません。笑

 

飽きちゃってる子は勝手に砂遊びとかおしゃべりとか始めちゃったりして、もはやカオスと呼ぶのも生易しいほどの光景が広がっています。笑

 

最初の頃なんかは、それこそ「自分はコーチなんだから子供達の模範になって、子供達にサッカーだけではなく、社会性も身につけてもらう義務がある」なんて傲慢にも考えておりました。

 

その結果、誰のための練習なのかを見失い、自分が考えてきた練習を押し通し、子供たちが全く乗り気で無ければイライラし、練習が上手く出来ないのを子供達の所為にして、子供たちのあまりに空気の読めない行動に「練習をボイコットしてやろうか」「コーチなんて辞めてやろうか」と思う時期もありました。

 

もちろん「子供たちを成長させよう」という考え自体は我ながら立派ですよ。それこそコーチの一番の仕事ですから。サッカーを好きになって欲しいし、上手くなって欲しいし、そのために何でもする覚悟は最初からありました。

 

ですがそれが一方的だと何の意味もありません。一方的に上手くなって欲しいとコーチが思っても子供には響きません。子供が「上手くなりたい」と思って、「この人から教えて欲しい」と思ってもらって初めて、指導というものが可能になります。

 

ようは「信頼関係」ってやつですね。その信頼関係の築き方を僕は最近まで分かっているようで分かっていませんでした。まずは「大人の仮面を外す」ところから。そこなんですよ。

 

僕は最近アドラーさんの知識を熱心に吸収しているのですが、「実践の心理学」と呼ばれるだけあって、日常的に使えるものばかりです。人間みな平等。

 

「大人と子供」というタテの関係ではなく「子供に近い大人と子供」というヨコの関係になる。そこがスタートラインと言っても過言ではありません。特に低学年相手には。

 

低学年の子が求めているのは、取っつきづらいプロ選手よりも、めっちゃサッカー下手だけど一緒に遊んでくれるお兄ちゃんです。

 

子供たちと一緒にいる時は大人は止めます。僕は1年かけてようやく少しずつ出来るようになってきましたが、まず間違いなくコーチを始めたての人には難しいです。子供達の目線に立つ。言うほど簡単ではありません。

 

「子供たちの目線に立つ」とは読んで字の如く。子供にならなければならないということです。だからといって口調まで子供にする必要はありませんが。笑 

 

トゲのない範囲で大人の言葉を使いつつ、もちろん言葉遣いは必然的に子供に配慮したものにはなります。

 

子供達と立場的には何ら変わりありません。この地球に生を受けた同じ「人間」です。社会的な役割の違いがあるだけで、他には何も違いません。

 

そうなると自動的に「命令系」は姿を消します。命令とは上の者が下の者に行う行為です。王様から家来とかね。

 

何かを頼む時は野田さん著の本にもある通り「疑問形」と「仮定形」が有効です。「~しなさい」ではなく「~してくれない?」とか「~してくれたら嬉しいんだけどなあ」という言い方にします。

 

これを意識しただけで、たいぶ子供たちからの受けも良くなりました。自分の心の荷下ろしも同時に出来ました。

 

やっぱり命令だと子供たちは高い確率で反発するんですよね。基本的に子供からしたら大人ってみんな敵みたいなもんですから。敵から何かを命令されたところで聞くわけなんてないでしょ?大人だって命令されるのは嫌ですから。

 

もっと言えば、お願いするということは「断る」権利も同時にあるはずです。いくらコーチと選手という関係でも子供は操り人形じゃありません。「~してくれない?」と言っても断る子は当然います。

 

そんなときでも「上から押さえつけようとして反目された感」がないので、心の持ちようが全く違います。「断られてもしょうがない」「良いパスは出した。後は決めるかどうかは子供次第だ」と思えることで荷物がだいぶ軽くなります。

 

本当に学べば学ぶほど、実践すればするほど手応えが得られるアドラー心理学は偉大です。

 

決してステマとかではありませんが、教育の現場で役に立つ情報しかないので、ぜひ気になる本があれば、コーチの皆さんにはお手に取っていただきたいと思います。