Road to 「my club」

マイクラブ設立を目指すコーチ達へ

アドラー心理学の深淵

こんにちは。まだまだ寒い日が続きますね。

 

今回はついさっき読み終えた本の感想を簡単に書いていこうと思います。

 

ちなみに本のタイトルは「勇気づけの方法」です。著者は野田 俊作さんです。アドラー心理学の界隈ではとても著名な方のようですね。

 

私は元々アドラー信者であります。もちろんその他の考えを排除する程の過激派ではありませんが、以前にスポーツ心理学の本を読んでから、すっかりその考え方に心酔をしてしまいました。

 

というのもアドラーさんの考えは、共感出来る部分が非常に多いからです。「日常使いの心理学」と言われるように、日々の生活に大いに役立つヒントがたくさん詰まっています。

 

僕はそんなアドラーさんの考えをもっと知りたいと思い、上記の本を手に取りました。もちろん安くはありませんが、勉強にかけるお金を惜しんではいられません。

 

僕が以前読んだ本とはまた違った内容が書かれていました。ただ基本線は一緒です。相互信頼・相互尊敬。ヨコの関係。目的論。対人関係論。

 

さらにそこから一歩踏み込んで書かれていたのが、コミュニケーションの種類と何かを頼む・断る時の所作、そして「不適切な行動の目的」についてです。

 

不適切な行動にも目的がある。衝撃の内容でした。

 

コーチをしていると目に付くのはどれも「不適切な行動」ばかりです。喧嘩にわがままにやる気のなさに自分勝手な態度に...いろいろあります。ネガティビティ・バイアスってやつですね。

 

ですがどれも大人が「不適切」だと決めつけて一方的に拒否しているだけなのです。本来大人に「適切か不適切か」の判断をすることは出来ません。そんなことよりも「なぜ不適切な行動をしているのか。どうすれば不適切な行動を和らげることができるのか」に目を向けるべきです。そして不適切な行動以外のところ、つまり適切な行動をピックアップして「勇気づけ」を日常的に行っていくことが大切です。

 

コーチにも親にもいますよね。子供が何か悪いことをするたびにヒステリックになって何でもかんでも否定してしまう人。自分の子が一人だけ片付けをしないことを過度に叱ったり、友達を殴って危害を及ぼしたからって大勢の前で叱ったり。

 

それは子供達の自尊心を傷つける結果にしかなりません。アドラーさんの考えに則るなら、子供達が不適切な行動をするのにも理由があるのです。

 

それを野田さんは何段階かに分けて説明してくれています。段階が進むにつれてどんどん子供が塞ぎ込んでいき、最終的には原因となる「相手役」の介入が意味をなさなくなるところまで行き着くそうです。

 

例えば、友達のいじめが原因で不登校になっている男の子のために、いくら原因であるいじめっ子を取り除こうとしたり改心させようとしても不可能ですし、引きこもる程の心理状態にまで追い込まれてしまったら、もう手遅れということになります。

 

自分の行動を振り返ってみると、子供たちの「不適切な行動」に対して「攻撃的に」レスポンスしてしまう場面が多かったように思います。

 

例えば夜更かししてまで考えた練習を全く真面目にやろうとしないときに「君たちは何しに来たの?」「僕や君たちだって時間を削ってここにいるんだろ?せっかくの時間を無駄にしちゃもったいないよ」と上から目線で説教したこともありました。

 

それは子供たちと対等に接することが出来ていない何よりの証拠です。

 

「頑張った分の対価は必ずあるべき」

「大人は子供の言うことを聞く」

「サッカーをしに来てるんだからサッカーをする」

 

どれも自分の考えに過ぎません。それを勝手に子供に押しつけてコントロールしようとしていました。

 

しかし当然ながら相手も一人の人間。それぞれ違った考えがあり意思があります。「指導者の言ったことを子供は絶対に遂行しなければならない」なんて大それた考えなのです。頼まれる側にも断る権利があります。それを僕たちは忘れがちですね。

 

「じゃあどうやって頼むの?」というところも言語化されています。攻撃的に復讐的にならずに、自分の意見を主張する方法は現場でも非常に役に立ちそうです。早速明日の練習から使ってみたいと思います。

 

気になる方は是非ともお手に取ってみてください。